インドヒマラヤの結婚事情。
あらゆる繋がりを駆使して結婚に至ったその後のお話です。

基本は大家族での生活になりますから、
嫁は即戦力として畑仕事、牛の世話、掃除洗濯はもちろん、料理にとフル回転です。
さらにここからが一番大変な「あと継ぎを産む」という課題が課せられます。
しかも家を継ぐ「男の子」を望まれるのです。
私が知っている人口800人余の小さな村には大変だったお母さんが3人いました。
2人は娘を5人産んだあとにやっと息子に恵まれてホッと安心、
1人は5人娘で諦めたというお母さんです。
今ではだんだん変化も訪れていて、子供は2人にしたい、男女にはこだわらない、という若い人達が増えてきています。
モラハラ、セクハラ、という意識からは程遠く当たり前の会話として
結婚したら「子供はいつ?」妊娠したら「男の子がいいね」と言われます。
インドヒマラヤの女性は本当に大変だなあと思ったものでした。

もっとビックリの話もあります。
インド最北端の秘境と言えるラダック地方では
ほんの数十年前までは、一妻多夫の習慣がありました。
兄弟にお嫁さんが一人です。
これは家の財産を守るためだそうです。
子供を産むのは一人なので一つの家族、兄弟達が独立して家の財産や土地を分けていく必要がなくなります。
3000メートルから4000メートルの高地、作物もなかなか取れない厳しい自然の中から生まれた習慣だとは思いますが、
これもまたさぞや大変なことだったろうと思います。

少しづつ大家族から核家族へと移行して、嫁が自分の考えで家庭を営んでいくようになりました。
もちろん昔ながらの大家族のすばらしい面が消えていくのもさみしい気もします。
なにが自分の幸せなのか、いつの時代もしっかり考えていく事が大事なのでしょう。
そこには、これですと言う正解は人それぞれにあるものだと思います。