インドでは牛は神様と同じ、決して食用にはしません。
田舎では家畜として飼われています。
牛乳を絞り毎日の大切なタンパク源にしています。
更には自宅でヨーグルトを作り、「パニール」というカテージチーズのようなチーズも作ります。
バターを作り、精製バターも作っています。
バターを作った後はラッシーとして飲んだり、カレーの材料になって「カーリー」というカレーが出来ます。
昔ながらの民家では一階が牛小屋になっています。
以前はこの牛小屋でお産をしていましたし、
ヒンドゥーの祈りの儀式などでは牛小屋を清めて祈りの場所になったりします。
牛に名前をつけている家も多いようです。
牛は頭も良く、家族の顔をちゃんと見分けます。
毎朝乳搾りをしてくれるお母さんやおばあさんの言うことはよく聞きますが
知らない人には体を触らせません。
顔を覚えてくれると手から餌も食べますし、顔をすり寄せて「草を頂戴」と甘えて来たりもします。
夏の間はリンゴ畑などに放牧されるのですが、忙しくて付き添っていない時などは
いつもの帰宅時間になると、自分たちでさっさと山から降りて来て、ちゃんと自分の家に戻って来ます。
とても賢い動物です。
村の女性は「牛は子供と同じだ」と、とても可愛がっています。
牛と人々の関係を知り、その生活の中に入ってしまうと
ビーフを食べることからだんだんと遠ざかってしまい、にわかヴェジタリアンになってしまいました。