北インドの主婦の話です。
春から夏の朝は大忙し、夜明けと共に起きて、まずは牛乳とお砂糖がたっぷり入ったチャイを作り
ビスケットなどと一緒に一息入れます。
それから草刈りをしたり、小屋から出した牛の乳搾りをして、家のまわりを掃除します。
その後、支度をして家族で朝食をとります。
昼ご飯は2時から4時くらい、季節の仕事によって時間が変わって来ます。
繁忙期には夕食は9時や10時になることもあります。
だれでもいつでも何かしら口にできるように、台所にはチャイが作ってあります。
道ばたや庭先で立ち話などをするときにでも
「チャイでも飲んで行かないか?」と必ず誘われます。
家に立ち寄った人には必ずチャイとビスケットでおもてなしをします。
お腹が空く時間帯には、朝でも昼でも「ご飯食べて行って」と言います。
ご飯やカレーなどはどこの家でも家族分だけでなく、たっぷりと作っています。
だれでもがスマホを持つ時代になる前は、だれがいつ訪問してくるかわからない状況で
すぐにおもてなし出来るようにしてあったのではないでしょうか。
余ったらどうするんですか?とついつい心配してしまいますが、
心配ご無用。家族同然の牛がいます。
余った食事は牛の餌になって、ちゃんと無駄なく消費出来るのです。
特に仲良くなったクナール君は言葉が話せるようになった2歳頃から
顔を合わせると「チャイをどうぞ。飲んで行って」と言ってくれました。
大きくなるにつれて「ご飯食べて行って」と言ってくれるようになって
村の人達は「食事の心配して、どっちが大人か子供かわからないねえ」と
年の差50歳以上の友人同士の私たちを笑って見ていました。
クナールは大事な友人です。