ダラムサーラはデリーからバスで15時間ほど北上する高度1500メートルほどの街です。
ダライ・ラマ法王がチベットを追われ、この地にチベット亡命政府を樹立し住まわれています。
法王様と共にチベットから逃げて来た人々も住み、チベットの子供達の学校もあります。
私がインドに興味を持ったきっかけはダライ・ラマ法王です。
中国の侵略を受け、何カ月も延々と徒歩や馬でヒマラヤを越えてブータンを経由して
インドに辿り着かれました。
そしてインド政府は法王様やチベットの人々を庇護したのです。
初めてインド旅行をした時にはもちろんダラムサーラにも行きました。
法王様の住居は想像よりずっと小さくて質素でした。
寺院ではお参りして祈りを捧げる人たちで一日中溢れています。
手に持ったマニ車を回しながら、寺のまわりを巡る「コルラ」(時計周りに聖地を回ること) 
の人々もたくさんいました。
インドの北の果ては中国などと国境を接していたり、政治的にはややこしい場所でもあります。
高度3000メートルから4000メートルの厳しい気候の中
人々は敬虔な仏教徒として寺院やお坊さんを大事に暮らしています。
世界一高い自動車道路5600メートルの峠を越えて行く小さな村にもお寺はありました。
どんなに交通が大変な、どんなに辺鄙な場所でも、どんなに小さな寺院でも、
ダライ・ラマ法王が訪れて人々に法話をされたという足跡が必ずあります。
ありとあらゆる村々を全部ご自身で回られているのです。
私たちにはノーベル平和賞を受賞された世界の偉人ですが、
チベットの人々やインドの仏教徒にとっては
とても身近で親しみやすい「我らの法王様」なのです。
世界を飛び回ってお忙しい法王様ですが、
ダラムサーラの住民は必ず道に出て「行ってらっしゃい」と「お帰りなさい」の挨拶をするそうです。