今日はダライ・ラマ法王のお話です。
ダラムサーラはヒマーチャルプラディッシュ州にある街です。
このヒマーチャルプラディッシュ州には多くの仏教寺院があり仏教徒も多く住んでいます。
県庁の街にはチベット寄宿学校を併設した大きな寺院があります。
私はインドでは何回か法王様の説法を聞く機会に恵まれました。
この寺院にも行きましたが、はるか遠方から、あちこちから仏教徒の人々や外国人が
集まってきていました。
まずは、空港にあるようなセキュリティーゲートで身体検査や持ち物検査を受けます。
そのあと分かれて、外国人席も設けてあり、一般の席ではなく大きなモニターで通訳付きで見られる席になっています。
たぶん法王様はチベットの言葉で話されていたと思います。
日本人の私たちはチベットの人達とよく似ているので、当たり前の顔をして 
みんなの後をついてゾロゾロと法王様がよく見える石の床に一緒に座りました。
説法が始まると、手に持つマニ車を回す人や、法王様に向かって五体投地をする人も現れました。
法王様はニコニコと親しげに、時には玉座から身を乗り出してお話になっています。
そのうちにお坊さん達が大きなヤカンと紙コップを持って人々の間に入ってきて
座っている人たちにお茶を配り始めます。
周りに座っているチベットの人たちもニコニコ笑って
「どうぞ」とお菓子やアメ玉を分けてくれます。
説法は2時間も3時間も続くので、法王様も聞いている人々もお茶を飲みながら
おやつを食べながら共に時間を過ごすのです。
かしこまって咳も出来ないような張りつめた空気で満たされる日本での講演と大違いでした。
世界の偉人であり大事な法王様とお茶を飲みながら共に時間を過ごす、これが幸せなことなのでしょう。
この親近感と近い距離感は法王様の大きな魅力の一つで、チベットの人たちを本当に羨ましく思いました。