今日もダライ・ラマ法王様のお話です。
法王様の説法が街のお寺で行われることになりました。
バスが通っている山の中から何日もかけてやって来る人たちもたくさんいます。
チベット人はもちろん山岳地帯に住む少数民族には仏教徒が多くいます。
ちょうど雨期に入っていたので天気が心配でしたが、
知り合いのチベット人のお母さんは「大丈夫。法王様がいらっしゃるのよ。晴れるよ」
と確信に満ちています。
地べたに敷物を持参で座ります。
法王様の正面、一番良い席は子供達のために指定されています。
私は法王様の横顔が見えるあたりに席を取りました。
2、3時間、長い時間を集まった人々と過ごされるのですが
この日は特に予定を大きく越えて滞在されていました。
目の前に座る子供達にはとろけるような笑顔で優しく
「トイレは大丈夫か?遠慮しないでいつでも席を立っていいんだよ」と呼びかけられて
これはヒンディー語で話されていたので、私にも理解出来ました。
出発時間が大幅に遅れてしまいました。
私もお見送りのために道路に並びました。
目の前を法王様のお乗りになったスズキの4輪駆動車が通り過ぎて行き
角を曲がって幹線道路に出て見えなくなった時、いきなり空から土砂降りの雨が降ってきました。
仏教徒は雨は吉祥の印だと言います。
人々とともに法王様の説法を聞けた幸せに感謝すると同時に
法王様の健康と旅のつつがなきを雨に打たれながら祈ったのです。