北インドの結婚にまつわるお話です。
ヒンドゥー教では、祈りがとても大事です。
毎朝神様に祈る、お寺で祈る、出産で祈る、誕生日に祈る、ヒンドゥーの祭日には特定の神様に祈る、
新車を買ったら祈る、家を建てたら祈る、仕事始めは道具にも祈る、とにかく生活の中には祈りがつきものです。
結婚の儀式はだいたい3日くらいあるのですが、朝から晩まで祈りの儀式が行われます。
聖水が使われたり、火を炊いたり、米や花(主にマリーゴールドですが)を撒いたり、
ありとあらゆるもので祈ります。
2日目の夜、花嫁は花婿と迎えにきた花婿側の人々と共に
家を出て、花婿の家に嫁入りします。
その前に家の庭に嫁入り道具すべてが広げられます。
家具、家電、装飾品、衣類はもちろん鍋釜からお皿まで、持参する荷物すべてが並びます。
そこでは、花嫁の両親がヒンドゥーの牧師さんの先導で、道具全てに祈りをささげます。
お祝いに参加している多くの人々が見守ります。
祈りの儀式が済んで初めて道具が運び出されて、花嫁より一足先に嫁入りしていきます。
20年くらい前ではプロパンガスやテレビくらいだった家電が
だんだん冷蔵庫や洗濯機なども見られるようになり、村の暮らしが豊かになっていくのを感じます。
余談ですが、いまだ掃除機を見たことはありません。