インドヒマラヤの村々の習慣です。
結婚儀式は大体3日間行なわれます。
1日目は花婿花嫁はそれぞれの実家でそれぞれ行ない
2日目には花婿が花嫁の家に来て、2人での儀式になり、夜に花嫁が嫁入りして行きます。
3日目は花婿の村での儀式があって終了となり、午後からはひたすら祝宴会突入です。
3日目の最後の儀式は「ざくろの儀式」と名がついています。
花婿は3日間被っていた花婿帽子を脱ぎ、普通の帽子に変えます。
さらにこの日はもう一つ大事な儀式があります。
他所の村から嫁いで来た花嫁は「義兄弟の契り」をするのです。
あらかじめ誰になるかは親族間で決められているのですが
このときに神様の前で正式に義理の兄弟姉妹となるのです。
血縁はなくても兄弟姉妹と同じ立場の扱いとなります。
20数年前ですら、若者の願いは「家に固定電話を引いてくれ」でしたし
もちろん携帯電話はまだなくて、嫁いだ村で家から離れて寂しい思いをすることもあったでしょう。
そんなときに兄弟姉妹と同じ立場の人が身近にいて、
お茶を飲んでおしゃべりしたり、農作業や家事を助け合ったり、相談相手になったり、
いつでも手を差し伸べてくれる存在は得難いものだったでしょう。
とてもいい習慣だなあと思いました。
今では誰でも携帯電話誰を持っていますし、自家用車を持つ家も当たり前です。
実家との距離の遠さを感じる事はほとんどないと思いますが
この「義兄弟の契り」の習慣は続いています。
濃い血縁関係が張り巡らされた村々の繋がりと血縁に依らない人間関係の温かさは
私達日本人がいつの間にか失ってしまった大事なものを思い出させてくれます。