先日お亡くなりになった瀬戸内寂聴さんの本はたくさん読みました。
小説からエッセイから仏の教えと実にたくさんのことを書かれています。
その中で心に残っている言葉があります。
お釈迦さまのこの世で最後の言葉とされています
「この世は美しい、人の命は甘美なものだ」
この言葉を知ったときは涙が溢れそうでした。
この世や人生は辛いこと、苦しみ、悲しみでいっぱいです。
なんのために生きているのだろうかと思うほど次々に試練がやってきます。
がんばってがんばってやっと生きていると思うことも多いです。
もちろん、ときどき笑顔になることもあります、幸せだと思うこともあります、
でもそれは頑張ったことへのご褒美みたいなものです。
そうやって一生懸命生きている人々への最後の言葉がこれなのです。
この言葉を味わっていると、目に映る花や木々、飛ぶ鳥たち、風の音、雨の音、移り変わる空の色、
昇り沈む太陽、満ち欠ける月、輝く星、虹、落ち葉、川の流れ、姿を変える雲、子供達の笑う声、と
どんどん愛しいものとして思い浮かびます。
そして心は幸せと感謝でいっぱいになります。
生きている事がとても大事なことだと思い至ります。